プレゼン会|「AI」と「ノンバーバル」と「マルチタスク」から見えるもの

2018年4月25日、渋谷キャストでプレゼン会が行われました。
今回は、渋谷キャスト開業1周年のイベント開催期間と重なったこともあり、冒頭は春蒔プロジェクト代表の田中より、1周年イベントについて紹介を行いました。

1周年イベントでは、co-labも作品展示を行いました。また、イベント最終日に行われたco-lab/春蒔プロジェクト企画のトークイベントは大変盛り上がりを見せました。こちらのレポートは後日改めてご紹介します。

co-lab渋谷キャストメンバー、古屋和臣さん企画のアニメーション映像。

co-labの2Fに設置された周年イベントのための作品は、見慣れた空間を一変させました。


さて、そんな盛り上がりを見せる中開催されたプレゼン会。最初の登壇者は株式会社オフィスバンク・村野茉文さんです。不動産の仲介・流通・運営のオペレーションを行っているオフィスバンクさん。会社設立から15年が経った今年、HD化をされてさらに事業を拡大されています。

古くからの慣習が強いと言われる不動産業界を、少しでも柔らかく変えていきたいと話す村野さん。不動産管理は、膨大な業務を抱えるにもかかわらず、クリエイティブや企画に反映される機会が少ないことを課題だと感じたそうです。そこで、開発中の不動産オペレーションを自動化する仕組みを紹介してくださいました。定型業務を機械に対応させる分、お客様の声を企画や設計などハードな部分とつなげること、それをシームレスに行うことを目指していらっしゃいます。普段接する機会の少ない異分野の方々とコラボレーションすることで、さらなる可能性を広げていきたいそうです。

村野さんに仕事をする上での考えを伺うと、「人」を大事にしているので、様々な価値観・生き方を大事にしたいと仰います。事業のビジョンにおいては、不動産業で分断されている「造る/運営/管理」をAIの導入によりつなぎ合わせ、使う人間が主軸の世界を作りたいとのことです。AI化が進んでも、中心に据えるのは使う側の人間。これまでオフィスバンクさんが「人だからできること」を問い続けてきたからこその取り組みだと思いました。人と機械、異分野同士の掛け算から生まれる今後の展開が楽しみです。


続いては、スキルアップAI株式会社の田原眞一さんです。元々AIを専門にお仕事をされていたわけではありませんが「自分が遠回りして身につけたことを、最短で学べるようにしたい」という思いからAIスクールを始められました。

スキルアップAIさんでは「学びたい時に払える価格」をモットーに、安価な価格設定で運営をされています。その背景には、”儲けよりも、期待値の高いAI分野に良い人材が集まってくることが大事”と考えているから。受講者によって知識のレベルも異なるので、一人一人とのヒアリングから始め、希望に合わせた講座へ誘導します。また、講座は動画で復習できるシステムも完備、スラックでの問い合わせも対応されている上に、日本初のディープラーニング協会認定プログラムでE資格を取ることも可能というので、万全の体制です。

充実したプログラムもさることながら、質問しやすい環境を作るために飲み会などの開催も大切だと考えている田原さん。オフラインでの交流も、学びをする上では非常に大切なようです。そんな田原さんの趣味は、意外にも?トライアスロン。数年前までは毎月大会に出るほどの熱の入れようでした。仕事においてもマルチタスクが面白いと仰る田原さん、最後にエネルギーを出し切るための配分を考えることは、仕事もトライアスロンも共通しているとか。
これからさらに活性化していく業界とスキルアップAIさんに注目です。


3組目の登壇者は、株式会社ライブアライフの山田秀人さんです。山田さんは、昨年12月にco-lab千駄ヶ谷からco-lab渋谷キャストへ移動されました。

ライブアライフさんのお仕事は、ネットやゲームの業界を中心に、1.クライアントがやりたいことを聞く、2.何が一番ユニークになるか考える、3.ターゲットに向けてどいういったコミュニケーションが必要か考える、という内容です。わざと無駄を作って、わざとリミテーションを楽しむという山田さん。硬いものを柔らかくするように、様々なユニークが詰まったお仕事を紹介してくださいました。

例えば、地図のアプリを作る際は、地図の付加価値を考えるところから始め、心の旅に出かける、必要のないときに開く地図を作ろう、とコンセプトを構築。完成したアプリは地図をタッチすると、実際にその場所で集音した音を聞くことができます。

プレゼン会終了後には、地図のアプリを起動させていろいろな場所の音を聞きました。

「ライブアライフ」という社名の通り、山田さんの打ち出すコンセプトには常に「ライブ感を味わう」「人の喜びにつながる」という考えが含まれています。ゲームの企画であれば”友達とゲームをする楽しさ”を軸にするなど、「目に見えないものを見える形にする」という確たる想いが貫かれていると感じました。今後の展望は「ノンバーバル(コミュニケーション)を使って価値を生み出したい」と。合理化が進む社会の中で失われがちな価値観を、最新技術を駆使しながら具現化するライブアライフさんの活動を今後も追っていきたいです。


本日最後の登壇者は、山田さんと同じく千駄ヶ谷から渋谷キャストへ入会されたD-MKの西森茂則さんです。西森さんは、大阪の制作会社勤務を経て2016年に独立。グラフィック・Webデザイナーとしてご活躍されています。

西森さんは、温厚で親しみやすいキャラクターから様々な依頼が舞い込んでくるのか?お仕事の幅が広いことにとても驚きました。20代のうちからアートディレクションを経験され、紙媒体であればディスニープリンセスの付録絵本という変化球、ロゴデザインやイラストから、Webデザインでは簡単なコーディングまで行います。最近では、映像制作のお仕事も増えいるとか。一口に映像制作といっても編集作業のみならず、ニュースメディアのイベント取材からインタビューまでこなし、ネットを使ったプロモーションや、サイトに埋め込む動画の提案までされているそうです。

これだけのお仕事の幅広さに加え、専門学校のWeb課で非常勤講師も勤めている、本当にマルチタスクな才能の持ち主の西森さん。co-lab千駄ヶ谷時代にはメンバーさんとのコラボレーションも経験済みですが、移動して日が浅い渋谷キャストではまだ知らない人が多くて心細いという本音もチラリ。今回のプレゼン会をきっかけに、幅広い才能を生かした新しいコラボレーションが生まれる予感がしました。そんな西森さんのインタビューが掲載された記事もありますので、こちらもぜひご覧ください!
クリエイター専門のシェアオフィスってどんなところ?Vol.7


プレゼン会の後は恒例の交流タイム。今回も渋谷キャスト1Fのカフェ、Areさんが美味しいケータリングをご用意くださいました。


最先端のAI技術から、ノンバーバルの生み出す価値、マルチタスクへとつながっていったプレゼン会。お仕事の内容は違えど、未来を見据えたみなさんの情熱と信念に毎回感銘を受けます。次回はどんなお話しが飛び出すのか、乞うご期待です。

(コミュニティ・ファシリテーター:栗原)