INTERVIEW
日本の独立ゲームクリエイターをサポートする|asobu
今回お話しを伺ったのは、co-factory渋谷に入会中のasobuのコミュニティマネージャーでAnne Ferrero(アン フェレロ)さん。フランスのご出身ですが、日本滞在歴10年ともあり、時に笑いを交えながら流暢な日本語でプレゼンされる姿はさすがでした。何より、asobuさんについてイキイキと紹介されていたのが印象的です。
それでは早速、asobuさんの活動内容をご紹介していきます!
日本のインディーゲーム開発者コミュニティ「asobu」
asobuは、インディーゲームクリエイターを支援するコミュニティであり、活動のスタートは2019年9月になります。ちなみに“インディーゲーム”とは、インディペンデント・ゲームの略称で、個人やチームなど少人数で開発されたゲームのことを言います。
iPhoneやPCなどのプラットフォームが出来てからは、パッケージにしなくても誰もがゲームを作り、ダウンロードコンテンツとして売れる時代になりました。その一方で、日本の場合は、個人やチームで活動するゲームクリエイターに対する支援があまり無いのだそう。彼らは独立したばかりの個人です。どうやって会社を作ったら良いのか、ゲームスタジオを作るにはどうやって資金調達をしたら良いかなど、活動していく上での悩みが多くあります。どんなにプラットフォームが整備されたとしても、個人で開発するということは「めちゃめちゃ大変」とAnneさん。
asobuは、そんな個人で活動するクリエイターのHUBとなり、悩みを相談したり、情報交換やコラボレーションできるコミュニティとして誕生しました。
日々のお困りごとから、資金調達のアドバイスまでを無償で提供
asobuでは、クリエイターの日々のお困りごと(例えば、英語ができないクリエイターが海外イベントに応募する時の手続きサポート)から、資金調達のアドバイス、海外パートナーの紹介、国内外でのゲーム販売支援など、多岐にわたるサポートをされています。
驚くことに、「クリエイターからはお金をとらない」というのがasobuのビジネスモデルです。ではどのようにしてクリエイターサポートしているかというと、日本のインディーゲームを応援したい国内企業や海外企業からのスポンサリングによって実現されています。そこにはPlayStationやMicrosoftなど、名だたる企業が顔を並べており、最近では大手出版社のスポンサリングが決定されたそうです。
今後の活動について
asobuが誕生した2019年は、ちょうど世界中で新型コロナウイルスが猛威を振い始めていた頃でした。コミュニティとしてリアルに集まる機会が創出できない状況が続いたため、まずはリアルの場を復活していきます。交流会やワークショップ、また延期されていた世界のインディーゲームワーキングスペースとの留学プログラムも始動予定です。更に、引き続きより多くの協力者(スポンサー)の開拓に努めていくとともに、スポンサー自身にもasobuのスペースを使って頂けるような機会を設けていきたいということでした。
なぜ日本のゲームが海外メディアや海外プレーヤーに届かないのか
最後にAnneさんは、業界最大のゲームカンファレンスであるGDC(Game Developers Conference)に登壇した時のトークテーマであり、業界の課題点について触れました。
なぜ日本のゲームが海外メディアや海外プレーヤーに届かないのか。その理由の一つとして、ゲーム業界に対する国の支援制度の違いが挙げられるそうです。例えば世界では、ゲームも映画と同じように、文化プロジェクトとして政府に支援されています。一方の日本では、映画や音楽フェスティバルは支援されても、ゲームは応援されない。応援されるのは、クールジャパンに入っている一部企業だけ。確かに、なぜゲームは政府の支援対象とされないのか、不思議です。
ただそんな訴えが届いてか、近日中に某貿易機構との打ち合わせが予定されているのだそう。asobuさんには、是非とも続報を伺いたいです。
コロナ禍での活動スタートとなり、asobuさんとしては悔しい思いを沢山してこられたのではないかと思います。co-factoryとしては、co-factory渋谷というスペースのご提供を通じて、asobuさんの今後のご活動を応援したいと思います。
今回は貴重なお話しを伺わせていただき、有難うございました!
(co-factory渋谷 運営チーム:渥美)