INTERVIEW
対話を通して理解を深める|松田高加子さん
今回は、視覚障害者向けのバリアフリー音声解説を製作している松田高加子(マツダ タカコ)さんにお話を伺いました。
視力を失って以来映画館へ行くのを諦めたという女性の話しを聞いて「映画を諦める人がいることは残念だ」と思い、音声ガイドを当たり前のものにして、映画のお客さんを増やすツールと考えてもらえるよう活動されております。
・目が見えない人に映像の説明をする音声ガイド
・耳が聞こえない人にセリフの字幕
松田さんが所属している会社では上記二つを製作されており、松田さんは音声ガイドを行なっているそうです。
以前松田さんはNHKのハートフルネットTV「フクチッチ」の『「視覚障害2」後編② ~見えない人と映画をつなぐ音声ガイド~』で取材を受けたそうで、その時の映像を鑑賞しました。
※ 松田さん曰く、番組内で紹介された映画のナレーションは松田さんの当て読みになっているが、原稿完成後は、ナレーターさんをお呼びして収録がされているそうです。2時間の作品では、ナレーターさんの収録は4〜5時間にもなるとか!
「音声ガイドの製作は障害者への福祉事業ではなく、映画が配給される際に、見えない、聞こえないお客様が安心してご覧いただける準備として、つまり、お客さんを増やす取り組みとして実施されています」と語る松田さん。
音声ガイド制作は、映画を読み解く作業。
ただ“見たまま”を文字起こしするのではなく、映画製作者の意図を汲む(読み解く)のが大事な作業になり、2024年4月から始まった「合理的配慮の義務化」も手伝って、最近は演劇など映画以外の文化芸術全般からの問い合わせも増えているそうです。
松田さんの「対話を通して理解を深める事の大切さ」のお話に、他のメンバーさんも真剣に耳を傾けていました。
現在、音声ガイドは自動同期アプリ「HELLO MOVIE」もしくは「UDCast」を使って聞くことができるので、最新の映画でもガイドが準備されていれば、映画館でイヤホンを使って聞きながら鑑賞することができるそうです。
貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました!
(co-lab代官山 コミュニティファシリテーター 野崎)