INTERVIEW
デザインは目的を達成するための手段|株式会社memori 宮内秀明さん
2021年5月に入会された株式会社memori 宮内秀明(ミヤウチヒデアキ)さん。
プロダクトデザインを中心にパッケージ、ロゴ、web、展示空間など幅広いデザイン領域の中で活動されているデザイナーです。
これまでデザインされたプロダクトについて、多数ご紹介いただきました!
1輪の花が映える、奥ゆかしさを感じるプロダクト。
インテリア産業に参入するためのプロダクトを作りたい、というクライアントからの依頼で『本の形をしたフラワーベース』をデザインされました(『つなぐデザインしずおか』)。
本をめくった際に背表紙の間に空間ができることをデザインに落とし込んだフラワーベースは、ページをめくるたびに自然と浮かび上がってくる陰影で、花瓶の美しいフォルムが露わになります。
ーー繊細かつユニークなプロダクトをデザインする秘訣とは?
宮内さん曰く、デザインはあくまで目的や目標を達成するためのツールであると考えており、
初めは客観的な情報を収集し、いろいろな要素を掛け合わせ最終的なイメージを割り出し、具現化させていくのだそう。
ツールとしてどうあるべきかを形にするため、アイディアを膨らませる過程論理的かつ綿密にプランニングをしっかり行うことで、デザインに深みが増していくのですね。
不思議と見覚えがあるような、でも存在しない文字。
こちらは、バクテリオファージ(バクテリア菌)をモチーフにした象形文字化したブランド文字です。
東京大学医科学研究所とのプロジェクトにおいて、学会やプレスリリースなどの場面で使用するイラストとして制作されました。
バクテリオファージとは、細菌や古細菌に感染して複製するウイルスのこと。
デザインの過程で研究論文を読み、各ポイントを選別、抜粋しイラスト化したものの1つで、
ファージの英語表記(P,H,A,G,E)から成る、ファージの形状をモチーフにされたのだとか。
細菌の奇態な姿を表現したデザインに、驚きとともに、愛着が湧いたのは私だけではないと思います。
精密金型・プレス加工工場のブランド構築案件では、技術面のPRに繋がるプロダクトとして、
ペーパーウェイトとステンレス定規をデザインされました。
まるでペーパーにビス止めをしているような、丸みと重厚感のあるネジ頭のデザインがユニークなペーパーウェイト。
卓上でペン置きやスマホスタンドにもなる、デザイン性と実用性を兼ね備えたプロダクトとなっています。
続いて、職人技を引き立てる精密金型製造の手法の定規。
直径30cmの定規ですが、半分の15cmとしても持ち運びができるデザインです。
1本につなぎ合わせた際に、つなぎ目が現れない職人技が光る製品。
なんともリッチそうな文具ですが、今後、国内外の市場にも広く展開していく予定だそうです。
各作品から感じる繊細で綿密なデザインは、
客観的な視点をプライオリティとしている宮内さんだからこそ生み出せるもの。
今後生み出される唯一無二の表現も楽しみです。
<関連ページ>
・株式会社memoriクリエイターリスト
・株式会社memoriHP
(PR:早田)