INTERVIEW
インディーゲームの未来を創る|わくわくゲームズ合同会社 大柳竜児さん
個人クリエイターが制作するゲームソフト(インディーゲーム)を専門に出版する、
わくわくゲームズ合同会社の大柳竜児(オオヤナギ リュウジ)さんにお話しを伺いました。
大柳さんは日本のインディーゲームシーンの発展に寄与することを目的に、魅力的な作品を手がけるクリエイターを『出版(パブリッシング)』
具体的には、(本や雑誌の)出版社のように、ゲームクリエイターと大柳さんがタッグを組み、ゲームの発売に向けた制作や販売促進を行う事業を行っています。
主に扱っているプラットフォームは、Nintendo Switch、PlayStation、Steam向けのゲームソフトを取り扱っており、Nintendo Switchは25作品、Steamは16作品をリリースしています。
2022年に独立し、2年でこの出版数は非常に多く、お一人で全ての業務を担う点でも“ゲーム業界の中で稀有な会社”です。
わくわくゲームズでは、クリエイターの個性が全面に出た作品や、アドベンチャーゲーム、
RPG、シミュレーションゲーム、人狼ゲーム、テーブルゲームなど様々なジャンルを取り扱っています。「売れる/売れない」を意識するのではなく、純粋に面白い、と思った作品を取り扱うようにしていて、「癖の強い個人商店」のようなラインナップを作っています。
出版契約から販売まで
支援したい作品や作家を見つけたら出版契約し、クリエイターが作品制作をしている間に、大柳さんは販促活動や制作支援をします。
販促活動では、日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit」に参加した様子を話してくださいました。
わくわくゲームズは女性に人気のある作家が多く、周りのレーベルに比べて女子のファンが多いようです。
イベントへの参加以外には『週刊ファミ通』や任天堂の公式チャンネルなどの広報活動をしています。
作品が売れても売れなくても同じくらいがんばらなければならないタフな仕事であり、「売れるといいなぁと思うけど、毎回そうもいかない」とのお話でした。
制作支援では、クリエイターの特性に合わせて、サウンドやキャラデザインの支援を行います。
また、クリエイター同士で「作品の進捗を見せ合う会」や「テストプレイ会」を開催しています。
このような会を通じて、クリエイターと大柳さんの距離を近くし、「お互いを助け合う農協のような組織」を目指したいとお話されていました。
【テストプレイ会の様子】
ユニークな作品を作っているクリエイターが日本にはたくさんいる
日本の個人クリエイターのゲームをたくさん世に出したいという熱い思いを実現している大柳さん。
一般のゲーム会社では作れないような非常にユニークな作品を作っているクリエイターが日本にはたくさんいるそうです。
しかし、現在のゲーム業界ではイベントに出品するか、フリーソフトとして公開するような方法しかないそうです。
その中で大柳さんはインディーゲームを商業ベースに乗せ、今後のゲームクリエイターの未来を開きたいとお話されました。
大柳さんは、ご自身がフリーランスを経験したことから、常にクリエイターに寄り添った姿勢でお仕事に取り組んでいらっしゃる様子が伺えました。
普段はなかなか知ることができないゲーム業界の貴重なお話をありがとうございました。
今後もたくさんのユニークな作品を出版してくださるのを楽しみにしています!
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わくわくゲームズ合同会社
(co-lab五反田with JPRE チーフ・コミュニティ・ファシリテーター 中山)