デザインは編集|株式会社フープ 武田英志さん

株式会社フープは、代表の武田さんと社員3名の方が在籍するグラフィックデザイン事務所。印刷物を中心に、さまざまなアートディレクション、デザインを手掛けていらっしゃいます。

教科書や雑誌のエディトリアルデザインから、グローバル企業の広告まで業務の幅は広く、あの『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』もフープのお仕事です!

武田さんは、フリーランスとして活動されていた2008年にご入会された、co-lab歴11年の大ベテランメンバーさんです。メンバーさんとのコラボレーションを多数されているほか、co-labからも度々デザインをご依頼させていただいております。

エディトリアルデザインのご出身ですが、現在は非常に幅広いジャンルでご活躍されています。デザインする上で大切にしていることを伺ったところ「情報の仕分け方・捉え方を工夫すること」を挙げた武田さん。ご経験から、編集とデザインはこの観点で繋がっているとおっしゃいます。

プレゼンでの実績紹介でも、業界や媒体種別ではなく“どういった目的のデザインか“という軸で4つに分けご紹介くださいました。

まず「おしえる、わかるデザイン」として挙げられたのは、教科書やプロジェクトガイドブックなど。お仕事のボリュームとしては最も多く、全体の約4割を占めているそうです。教科書は制作スパンが長いそうで(4年近く!)、信頼と実績あってこそのお仕事なのが伺えます。

「くらしをいろどるデザイン」としては、雑誌やショッピングビルのパンフレットなど。「よのなかとつながるデザイン」では、これまでのカジュアルなデザインとはがらりと変わって、官公庁やNPO/NGOといった社会貢献的なプロジェクトを伝えるデザインをご紹介いただきました。

最も馴染み深く感じたのは、主に広告や商品パンフ等を分類した「ものづくりを伝えるデザイン」。
co-labの入る建物『渋谷キャスト』のパンフレットやポスターのほか、冒頭でもご紹介した『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』等々、華やかなご実績が並びます。秋山さんの企画は、フリーペーパーでの連載開始当初からご担当されていて、実はエキストラとしてもご出演されているそうです!

また昨年には、デザインのお仕事だけでなく書籍のご出版もされました。(くわしくはこちら→『伝わるデザインの授業』
執筆のきっかけは、デザイナーとしてクライアントとやりとりしている中で感じてきた課題。コミュニケーション相手がプロの編集者だったエディトリアルデザイン時代と異なり、企業の一担当者とでは意思疎通に難しさを感じるシーンも多いのだとか。
互いの意図を理解するには共通言語が必要だと感じ、デザインを生業としていない人が 浅く広く知識をつけられるような入門書を作るべく、執筆されたそうです。
ちなみにこちらの書籍の章立ても、デザインのパーツごとに解説をしていく一般的な入門書とは異なり「デザインを学ぶことで何に役立つか、何を実現できるか」という武田さんならではの切り口で構成されています。

イラストも内製されるなどビジュアル面の強みもさることながら、情報をわかりやすく伝えることが本当にお上手なのだなぁとしみじみ感動してしまいました。
アウトプット方法にはこだわらず、目的に応じって様々なデザインをしていきたいと話す武田さん。今後のご活躍も期待しております!

(co-lab渋谷キャスト コミュニティ・ファシリテーター髙橋)

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