INTERVIEW

人とのつながりを力に進化を続けるデザインディレクター｜株式会社キッズリリー　伊藤洸太さん

2023.11.01
co-lab 渋谷キャスト

今回お話を伺ったのは、カメレオンの様にお仕事によって見せる顔を変えることのできるデザインディレクター、株式会社キッズリリー　伊藤洸太（イトウコウタ）さんです。

2023年3月に入会され何回かお話を伺いましたが、毎回お仕事の内容が異なることに驚いていました。それもそのはず、伊藤さんにお仕事を依頼する方々も「ウェブデザイナーの伊藤さん」として依頼する方もいれば、「映像ディレクターの伊藤さん」と声をかける方がいらっしゃるようで、人によって伊藤さんの職業の認識が異なるようです。どうして幾つもの顔をもつことになったのか。まずは伊藤さんのプロフィールからお話を伺いました。

【伊藤洸太さんのプロフィール】

co-lab渋谷キャストのある渋谷区渋谷一丁目との縁が深い伊藤さん。その始まりはなんと中学生の頃になります。渋谷教育学園渋谷中学高等学校の一期生として入学。高校生の頃に美大へ進学することを志し、武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科へ進学されます。2007年に卒業後、ハウスメーカー、デザイン事務所、広告代理店を経て2012年にkizlily designを個人事業主として創業、2014年に株式会社キッズリリーを設立し、今年10期目を迎えられています。そんな伊藤さんですが、大学生の頃には現在のお仕事に通じるディレクション、プロデュースを主軸とした活動を行っており、その時の活動経験を元にオール媒体へ関わることのできる大手ハウスメーカーへ就職。デザイン事務所への転職ではウェブデザインを学び、そして自分のしている仕事の価値やお金の流れを知るために広告代理店へ再度転職を行い、独立へと向かっていかれたそうです。

【紙もウェブも映像も】

独立に際して何か案件や採算があったわけではないと話す伊藤さん。「頑張って知り合いに声をかけて仕事をもらいました」そう言ってご紹介してくださった伊藤さんのお仕事は、パンフレット制作、母校の企画展のアートディレクション、DVDフォトブックの作成などを一個ずつ積み重ねていかれたようです。そして、仕事を通して人と知り合い、知り合った人からまた新たな仕事の紹介があり、螺旋階段を上るかのように着実と仕事の規模が大きくなっていったのが覗えました。ウェブデザイン、ウェブサイト制作、広告、ブランディング、写真・動画撮影と幅を広げていき、一社のクリエイティブディレクターとして紙もウェブも映像も総合的にお仕事されるようになったそうです。3年ほど前からはフォトグラファーとしてもお仕事ができるようになったそうですが、そこには若い世代との交流によって受けた刺激によるチャレンジがキッカケとお話してくださいました。すごいMVを撮影している人がいるからと声をかけてみると、若手のアートディレクターだったりと、業種の垣根を越えてやってみたいことにチャレンジしている姿を度々目撃したそうです。その姿に刺激を受け、写真を撮影し続けていって仕事にしていった伊藤さんだからこそ、仕事の幅につながっていったのだと伝わってきました。

【三流として生きる道への模索が引き寄せた親和性のある仕事】

伊藤さんのこれまでのお仕事の中にはロゴ作成やフライヤー作成という単体の依頼もあれば、ブランディング、クリエイティブ、デザインパートナーとして多角的に行うお仕事があるそうです。様々な種類のお仕事がある中で伊藤さんから意外なお言葉を聞きました。

「ただのデザイナー、ディレクターとして生きることの限界。スーパースターになれなかった自負から三流として生きる道を頑張って模索をしています」

試行錯誤をしながらも自分の道を進んでいっていらっしゃる中で、冷静にご自身の立ち位置を見据えて、次の方向性を探されているところから出てきたお言葉だと感じました。また、そのお話の中で好きなことをしていこうという軸で進めているプロジェクトをご紹介くださいました。自社サービスとして「しぶしぶぶ」という母校、渋谷教育学園渋谷中学高校の卒業生インタビューサイトの運営、協業サービスとしては「下北沢放送局」という下北人による下北人のための歴史アーカイブと今をかたる放送局の運営準備などがあるそうです。そして、チャレンジしているお仕事として「Livs」というアイドルのチーフデザインオフィサーとしてロゴ制作、衣装、MV、ヴィジュアルディレクションから写真撮影など多岐に関わり、このお仕事の中にクリエイティブの要素をたくさん感じられているそうです。そして自身への親和性を感じ、楽しんでお仕事ができていると笑顔でお話してくださいました。

今回はデザインディレクター、アートディレクション、撮影ディレクション、クリエイティブディレクター、フォトグラファーという顔を見せてくれた伊藤さんですが、今後お仕事を続けていくとどんな顔が増えていくのでしょうか。つながることで様々な顔が増えていく伊藤さんの今後から益々目が離せません！