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居心地のよい環境を自分たちで作る|シェアオフィス・ワークスタイル(MABATAKI木村彩人さん)
co-lab渋谷アトリエメンバー
MABATAKI
木村彩人さん
Ayato Kimura
ウェブデザイナー。1986年名古屋生まれ。中学生時代よりインターネットへ没頭する。2005年春に京都精華大学芸術学部入学、以後卒業まで京都にて建築を専攻する傍ら、ウェブ制作を主としたクライアントワークの受注を開始。2009年春、上京とともに”MABATAKI”を設立。
◎はじめに
渋谷アトリエメンバー・MABATAKIの木村彩人さんがco-labに入居したのは2009年。大学在学中から始めたフリーランス活動を、卒業後に本格化させるためにワークスペースを探し、当時の「co-lab三番町」に入ろうと、京都から引っ越してきました。
在学中は大学の研究室で仕事をしていていたという木村さん。それが今のco-labとよく似た環境だったのだとか。
「研究室ではいつも誰かが雑談していたり、夜になると勝手に鍋を始めていたり。僕の場合は少しノイジーなくらいの方がむしろ集中できるところがありまして」
2009年当時はシェアオフィスという存在自体がマイナーな中、フリーランスでありながら同じ会社に勤めるメンバー同士のように話題や空間を共有できるco-labのコミュニティに魅力を感じて、上京してから6年間ずっとco-labをメインのワークスペースとして活用しています。
co-labで知り合ったクリエイターとの協業も多いという木村さんに、シェアオフィス「co-lab」で働く魅力を聞きました。
インタビュー:新井優佑(WEB PR)
◎無意識の中のデザイン
現在、木村さんはデザインを主体にディレクション、コーディングなどウェブ制作全般を請け負っています。特にデザインをする上で大事にしていることは?
「観察力ですね。ウェブに限らず世の中は無数の人工物に囲まれていて、膨大なそれらひとつひとつが誰かの考えによって生み出されたものです。大半は人々の無意識の中に埋もれていて、けれどもそれこそがデザインが正しく機能している状態だと僕は思うのです。もちろん成果物には華やかさや興味を引くきっかけを作ることも大事なのですが、それと同じくらい、そういった日々無意識の領域にあるものを観察できているか否かが、結果にも大きな影響を与えると考えています」
フリーランスとして活動を初めた木村さんは現在多くの企業の案件を抱え、今年からスタッフも採用。近く法人化して5名程度の少数精鋭な制作会社にすることが目標とのことです。
◎有機的な仕事の広がり
そんな木村さんですが、co-labに入居した当時は大学を卒業したばかりの22歳。メンバーは一回り以上年齢が離れた大人が多く、最初「この若者は大丈夫なのだろうか?」と思われていたのだとか。それから徐々に他のco-labメンバーから仕事を請けるようになり、シェアオフィス内で打ち解けていきました。
「『なんだ木村くん、仕事できるじゃん』って思ってもらえるようになりました。30代に近づいてきて僕の方からご相談する機会も少しずつ出てきたので、そういう意味では今後同世代のメンバーがもっと増えるといいのになと思っています」
co-labの有機的なコミュニティの中にいることが、木村さんのワークスタイルに少なからぬ影響を与えています。
◎居心地のよい環境を自分たちで作る
また、木村さんは不定期でco-labメンバー同士が集う飲み会も開催しています。それは以前、多くの異業種交流会に顔を出していた自身の経験に理由がありました。
「上京して最初の半年で300人くらいと名刺交換しました。たくさんの人に会いましたが、今でも付き合いがあるのは2名ほど。多くは『もう会うことのない人たち』と飲む訳です。しかし同じようなことをco-labで開くと『明日も会う人たち』と飲むことになりますよね。これはおもしろいと思いました。」
co-labは大きな拠点では定員が約100名程にもなるため、必ずしもメンバー同士全員が深く知り合っている訳ではありません。お互いの顔を知ることができるだけで、風通しのよい空間になると言います。
「お客さんという感覚ではなくて、せっかく自分が所属しているのだから、よりポジティブな場所であって欲しいと願っています。それは何も仕事のことだけでなくて、多くの時間をより居心地よく過ごせるという意味でも大きなメリットにもなると思うのです」
◎おわりに
働くメンバーはそれぞれ別の事業体ですが、時には「あの人は電話で話す声が大きい」「あの人の携帯電話の着信音が珍しい」など共通の話題で盛り上がることもあるco-labのコミュニティ。一見ネガティブと思われることでも、見方を変えるとそれは働く時間と空間をより豊かにするエッセンスにもなり得ると木村さんは語ります。
環境をポジティブに捉えて結果的に仕事も拡大する。シェアオフィスという空間の有効活用のひとつのあり方ではないでしょうか。
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