プレゼン会|クリエイティブを生み出す原点ー新規メンバー5名が語るこれまでとこれから

2019年7月12日、co-lab二子玉川で夏夜のプレゼン会を実施しました!
今回は、個性あふれる新規メンバー5名にご登壇いただいた内容をレポートします。

二子玉川近郊に住まいを持つメンバーが多く在籍するco-lab二子玉川のプレゼン会は、毎回お子さんやご家族も一緒に参加する和やかなスタイルで実施しています。プレゼン会はメンバーがお互いの仕事を知る機会となることはもちろんですが、一緒に食事をすることや家族間の交流も楽しみのひとつだったりします。


(子どもから大人まで集まるco-lab二子玉川のプレゼン会)

そして、プレゼン会を更に盛り上げる食事は一品持ち寄り制にしていて、毎回異なるフードテーマを設定しています。今回は、子どもも大人も大好きな、夏の暑さを吹き飛ばす「カレー」でした。参加メンバーそれぞれが、自慢のお手製カレーや地元お勧めカレーなどを持ち寄り、豊富な種類の味が机に並びました!スパイスの匂いに食欲がそそられ、無くなるのもあっという間でした。


(野菜たっぷりのカレーやスパイスの効いたカレーなど、いろんな種類が集まりました!)


お腹が満たされたところで、プレゼン会のスタートです。

(出身地の北海道から現在のお仕事までについて、丁寧にプレゼンする片山幹さん)

まず一人目は、インフォメーションアーキテクトの片山幹(カタヤマカン)さんにご登壇いただきました。
片山さんは、2009年に3人の仲間と一緒にingo株式会社を設立し、UXUIに関する企画やコンサルティングのお仕事をされています。

情報端末に触れないことのない日々を送る現代社会において、膨大な量の情報をパソコンやスマートフォンを使ってどのように整理するとより分かりやすく伝わるのか。片山さんは常にこの課題と向き合いながら、様々な活動を展開されています。特に興味深い活動として、視覚障害を持つ人が情報を得るために端末を通じてどのようなアクセスが可能なのかを考えるセミナーの実施についてご紹介いただきました。目の見えない人がスマートフォンやパソコンから必要な情報を得るためには、基本的には音声が重要な役割を持ちますが、作り方によっては利用のしづらさが課題にあるようです。セミナー活動は今後も継続的に開催される予定で、co-lab二子玉川でも実施していきたいと語ってくれました(2019年10月)。

実は片山さん、学生時代は建築家を目指して建築を勉強されていたそうです。インフォメーションアーキテクトというちょっと聞きなれない肩書きも、バックグラウンドを聞いてなるほど納得がいきました。片山さんにとって “設計すること”とは、完成までのプロセスを明確に示す/導くことで、対象が建築でなくても仕事の姿勢は変わらないのだろうと感じました。


2人目の登壇者は、建築家の池田晋爾(イケダシンジ)さんです。
池田さんは現在、山本浩三建築設計事務所のスタッフとして個人住宅を中心に建築設計のお仕事をされています。


(建築設計をする際に考えていることを語る池田晋爾さん)

プレゼンでは、池田さんが担当された個人住宅やホテルをご紹介いただきながら、敷地とお施主さんの要望を整理しシンプルにデザインをする建築家の仕事についてお話ししていただきました。
ご紹介いただいた物件はどれも、そこで暮らす人の動きと自然光の採り入れ方のバランスを丁寧に考えながら作られている印象を持ちました。そして、すっきりした構造とこだわりの素材がシンプルで気持ちの良い空間に仕上げているのだろうと感じました。

(池田さんが担当された個人住宅のリビング空間)

また、co-lab二子玉川への入会のきっかけとなった現在進行形で動いている二子新地のプロジェクトをご紹介していただきました。このプロジェクトは4F建ての共同住宅で、設計・管理だけに留まらず場所の運営も合わせて計画されていくようです。設計した建物と周辺との関係をより良くしたいという思いと、敷地の条件が多摩川に近く、川の氾濫時には床下2〜3mが浸水するとされていることから、1F部分はお店やイベントスペースなどの賃貸として運用していくことを計画されています。実際のプログラムについては今後お施主さんと話し合いを深めていくそうですが、多様な分野の人が集まるco-lab二子玉川のメンバーとの接点から新しい試みについても検討していきたいと話されていました。早速、質疑応答の時間の中で、メンバーから水辺のアクティビティやランニングステーションとの関連など積極的な意見交換が見られる一幕もありました。
今後の展開が楽しみです!

(co-lab二子玉川に入会するきっかけにもなった二子新地のプロジェクト)


3人目の登壇者は、WEBプロデューサーの内山和英(ウチヤマカズヒデ)さんです。
ホームページやアプリの設計やプロジェクトのマネジメントをされています。


(多様な趣味と経歴についてお話する内山和英さん)

2018年よりフリーランスとして活動を始められ、最近は企業のホームページを手がけることが多いようです。プレゼンの中では、某企業の社員向けに提供したスマホアプリ開発の事例をご紹介いただきました。このスマホアプリは健康経営をサポートするもので、30代のメタボ予備軍に対して身体測定を行い、健康管理やトレーニングなどのアドバイスを行う機能を持っていることが特徴のようです。他にも、コンビニから荷物を出せる宅配便サービスの運用を担当されてきました。

ユーザーが使うホームページやスマホアプリの設計やプロジェクトをマネジメントする内山さんですが、現在の仕事に至るまではユニークな経歴をお持ちでした!最初のお仕事は、内装のデザイン事務所で商業系のブティックや飲食系のデザインをされていたそうです。その後、家具メーカーでの販促業務を通じてウェブに携わるようになり、CMの映像プロダクションのお仕事、商社系SIerでウェブのシステム開発とデザイン制作を担当されてきたそうです。様々な経験が現在のお仕事へ繋がっている内山さんですが、原点(内装デザインをすることになったきっかけ)は、大好きなジブリ作品の中で『紅の豚』でフィオが飛行機を設計する姿に憧れを持ったことからスタートしているとのことでした。

フリーランスになり、業界を超えて新しいことに挑戦できることに魅力を感じている内山さん。今後はインターネットと空間を組み合わせた物を作っていきたいと新たな意気込みも語っていただきました。


続いて4人目の登壇者は、映像制作のお仕事をされている佐藤一輝(サトウカズテル)さん(ニックネームは「ズッコ」)です。佐藤さんは「モーショングラフィックス」という、絵や写真、テキストや図形を音楽に合わせて動かす映像表現を得意としています。


(メンバーを前にしたプレゼンに緊張しながらも、個性的なプレゼンをする佐藤一輝さん)

(佐藤さんが手がけてきた映像作品)

そしてプレゼンの目玉は、最近取り組まれているVRを使った新しいプロジェクトのご紹介でした。このプロジェクトは、某大学病院との共同研究で進めている医療系のVRコンテンツ制作です。大病を患い病室から出ることのできない患者さんに対して、お花見や動物園の映像を見せることで肉体的な痛みを精神的に和らげる効果に期待して制作を進められています。なんと今回は、実際に制作途中の作品を持ってきていただき、プレゼン会の後にメンバーの皆さんもVR体験をさせていただきました!ゴーグルを装着すると目の前に満開の桜が広がり、実際にその場所にいるかのようなリアルな感覚と日本の春の風景がどことなく懐かしさを感じました。近い将来、このプロジェクトの成果が医療の現場でどのように活用されていくのか楽しみです。


(VRを体験するco-labメンバー。お子さんも興味津々の様子。)

そんなクリエイティブ溢れる佐藤さんですが、作品のアイディアは趣味の映画を観ることから吸収しているそうです。プレゼンの最後に「今日どうしても言いたかったのは・・」と前振りを置き、最近衝撃を受けた映画を紹介。2010年に公開された韓国のサスペンス映画『哀しき獣』という映画で、銃を持ったヤクザと骨を持った男たちが闘争するワンシーンに感銘を受け熱く語られました。そんな映画の話ができる友達も現在募集中だそうです!


ラスト5人目の登壇者は、建築を軸に多彩なお仕事を展開される中島立人(ナカジマタツト)さんです。


(たくさんのプロジェクトをスライドで紹介する中島立人さん)

2019年2 月に独立されたばかりという中島さんですが、その前は10 年ほどエイ出版社の中でメディアを使った設計事務所「カリフォルニア工務店」を立ち上げるなどユニークな経歴をお持ちです。ライフスタイルを体現するためのチームとして立ち上げた「カリフォルニア工務店」では、住宅や店舗を中心に全国に約70〜80物件を担当されてきたそうです!

“メディアを使った建築の設計”とは一体どういうことなのか。これまで中島さんが担当されたプロジェクトの事例をたっぷりとご紹介していただきながら、その面白さをお話ししていただきました。通常、出版物はターゲットやテーマを絞り込みその内容を構成していますが、その特性を生かしたライフスタイルの提案や空間づくりというのが特徴のようです。例えば、サーフィンの雑誌との連携でサーファー向けの住宅を提案するSURFER‘S HOUSEというプロジェクトを展開されたり、ハワイスタイルという本でコンドミニアムを設計したりされています。また、メディアの強みを生かして空間を作っている段階から、紙面や動画でのPRを積極的に展開することも試みていたようです。

実は中島さん、高校時代はアメリカで過ごされていました。スケートボードが好きで遊びに行ったのが渡米のきっかけだったそうですが、その経験は現在のお仕事にもしっかりと繋がっています。2020年の東京オリンピックの競技にスケートボードが登録となり、中島さんの新たなプロジェクトとして、スケートボードパークの設計が動き出しているそうです。

ノリの合う人と好きな時に好きな場所で好きなことをやりたい、をモットーに多岐にわたるプロジェクトを展開される中島さん、今後は海外を舞台に活躍の場を広げていきたいと意気込みを語ってくれました。


偶然にも共通して建築空間に関わるようなバックグラウンドをお持ちの皆さんでしたが、現在はそれぞれ異なる形でお仕事をされていることが印象に残るプレゼン会でした。クリエイティブが生まれる原点は、ある一瞬の閃きによる場合もありますが、経験が形づくるものなのだろうなと改めて感じる時間となりました。

次回のプレゼン会レポートもお楽しみに!

(チーフ・コミュニティ・ファシリテーター:佐脇)