REPORT
プレゼン会|「あんぽ柿」から「100億円」そして「未来を企画する」
約3ヶ月に1度開催している、co-lab代官山プレゼン会。8月2日の開催内容をレポートします。
プレゼン会とは、メンバー間でのコラボレーションが起こるきっかけ作りや交流のために定期的に行う会で、メンバーの方に10分ほどのプレゼンを行ってもらい、各会員のお仕事を知る機会でもあります。
一組目のプレゼンターは、デザイン事務所アートボードのみなさん。
今回は代表の泉さんに加え、今年から加わった若手スタッフの寺田さん、吉本さんも登壇してくださいました。
2006年に独立した泉さん、独立前は広告デザインを中心に紙媒体のお仕事をされていましたが、独立を機にWebデザインの分野にも活動の場を広げたそうです。リーマンショックの洗礼を受けつつも、積極的なプロモーションを掛けたことで業績は上向きに。2014年に法人化、2015年からco-lab代官山にご入会されました。
新メンバー加入ということで、まずはみなさんのご紹介。泉さんが趣味のテコンドーで十代の選手に惜敗した話や、若手スタッフ寺田さんの「どこでも寝れる」特技のお話しには会場から笑いが起こっていました。
お話しは今年1月には作成された福島県の「あんぽ柿」ブランドブックに。これまでデザインイメージを固めてから仕事を進めることが多かった泉さんですが、この時はまず現地取材を敢行。あんぽ柿を割った時のダイヤモンドのような輝きや、現地の方から聞いた原発の話など「五感で味わった」デザインをすることで、作品の幅が広がった事例を紹介してくださいました。
新生アートボードさんの人となりが伝わるとてもアットホームなプレゼンテーションでした。
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二人目は株式会社シェルフィーの竹内義貴さん。急な依頼にも快諾してくださってのご登壇です。
シェルフィーさんの平均年齢は26歳と若手の会社。社内イベントも多く和気藹々とした社風が特徴です。事業内容は「建築×テクノロジー」。建築業界に特化した日本最大級のマッチングプラットフォームを運営しています。
元請けと下請けの格差が激しい建築業界では、施主が中小施工会社の情報を得るのがとても困難。そこで、大手の元請け会社を取っ払い、これまで下請けとなっていた施工会社を直接施主に紹介しているのがシェルフィーさんの特徴。元請けを介さないことで、施主にとってコスト・技術面ともに、より最適な施工会社を紹介することが可能となります。
厳しい審査を通過し、サイトに登録している設計・施工会社の数はなんと300社超え。登録している会社は施主からの信頼も厚く、下請け会社を脱却して元請け会社になった事例もあるそうです。施主・施工者の双方にとってメリットのあるシステムだからこそ、これだけ人気を博しているのです。
オリンピック効果で出店ラッシュの中、シェルフィーさんの業績は右肩上がり。発注総額が100億円を突破したお話には、会場から驚きの声も上がっていました。
生産性が遅れているとされる建設業界で、業界全体の改革を目指して集まる若いパッションに今後も大注目です!
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本日最後のプレゼンターは クラウドファンディングサイト 「GREEN FUNDING by T-SITE」を運営するワンモアの沼田健彦さん。
ツタヤグループでファンディングを行っているワンモアさんは、資金調達のみでなく、その後の流通支援を行っているのも大きな特徴です。これまで扱ったプロジェクトは600超、会員数8万人、メルマガ登録数5.5万人と、着々と業績を広げていらっしゃいます。
もともと利益を得ることよりも先行投資を目的とすることが多いファンディングですが、最近はマーケティングの手段になっている傾向が強いとのこと。その証拠に、今年のグラミー賞にノミネートされた4作品が、アメリカ最大のクラウドファンディングを利用した話は驚きでした。
ワンモアさんでは、最近自社のファンディングを利用した企画運営にも力を入れています。映像と光、音楽を取り込んだ朗読劇の企画は、好評につき第二弾が決定。自ら自社のファンディングを利用することで、利用者の目線についても積極的に考察されています。
これまでクラウドファンディング事業に携わってきた沼田さんですが、長く関わってきたからこそ悩みも多いそう。そこで新しく打ち出した会社のビジョンは「未来を企画する会社」。人と人の縁を大事にすることや、良心に従う、生の情報を知る、など様々な思いが込められています。
インターネットを通して行うクラウドファンディングは、一見ネット上だけで完結するように見えますが、人と人との繋がりを大切にする沼田さんの強い理念が伺える貴重なお話しでした。
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盛り上がったプレゼン会の後は、リラックスした交流タイム。
美味しいごはんに舌鼓を打ちながら、メンバーさんたちの交流も深まりました。
今後も、新旧さまざまなメンバーの方々にプレゼンをお願いしていこうと思います!どうぞお楽しみに!
〔コミュニティ・ファシリテーター:坂本・佐々木・栗原〕