REPORT
プレゼン会|”仕事”と”プライベート”の境界。自分らしい繋げ方。
厳しい残暑から解放され、過ごしやすい季節になってきた9月。初秋の夜に、恒例の代官山プレゼン会を開催しました。今回のプレゼンターは、偶然にも「仕事」と「プライベート」の境界を独自の方法で行き来している三名。三者三様のプレゼンテーションから見える信念と生き様に、熱く盛り上がったプレゼン会をレポートします!
まず最初の登壇者は、元co-lab千駄ヶ谷メンバーで今年6月にco-lab代官山へ入会された、4D02伊藤和久さんです。伊藤さんはグラフィックデザイナーのお仕事を中心に活動されています。co-lab代官山ともご縁のあるお仕事を紹介されると、会場との距離もグッと縮まりました。
伊藤さんは、百貨店のアートディレクターなども歴任されていますが、なぜか定期的に”ドロップアウト”される面白い経歴の持ち主。(クリエイターリストの経歴にドロップアウトも入っています笑)人生3回目のドロップアウトでは、モーショングラフィックスの勉強のため渡英したものの、実際には現地で版画を勉強されたいうのでまた興味深い。当時作成した版画作品として、色彩と曲線の美しさが印象的な作品や、イギリスの巨匠フランシス・ベーコンの影響から、ポートレートに興味を持って制作した作品を見せていただきました。後者は人間の持つ本質に触れるようなハッとさせられるものがあり、会場からも「おお〜!」と、どよめきが上がりました。
とても真面目な印象の伊藤さんなので、ドロップアウトという大胆な行動をとっていることに最初は驚きでした。けれどこうして改めてお話を伺うと、伊藤さんにとっては非常に自然で必要な時間だということが伝わってきます。今後の展望を伺うと、デザインだけに限定せず、もっと大きな括りで仕事をしていきたいと仰る伊藤さん。伊藤さんならではの活躍が見られるのが楽しみです。
最後に、伊藤さんがデザインされた緑茶のノベルティをお土産に配っていただくサービスも。美味しくいただきました!
二人目の登壇者は、今年の5月に入会されたFLEXの上松智樹さん。上松さんも、伊藤さんと同じくグラフィックデザインのお仕事をされています。上松さんは、誰もが知っている商品パッケージや、ブランド広告などのデザインに従事されてきました。奥様がドイツ国籍である上松さんは、現在ヨーロッパを代表するドイツのデザイン会社のお仕事もされ、第一線でバリバリご活躍されています。
そんな上松さんですが、「今でもドキドキしながら物を作っているか?」という疑問が湧いたのを契機に、4年程前からアート作品の制作を始められました。苔を使ったレリーフなど、独特の作品を制作されていましたが、ご本人としてはどうも軌道に乗らないと。その理由を考えていくと、リサーチをし過ぎていた事や、頭で考え過ぎていた事に気づき「どうしたらデザイン思考から離れられるか?」という新たな問いが生まれました。尊敬されている横尾忠則さんの影響で瞑想を行ったり、気功の先生に潜在意識の心理的ブロックを外してもらうなど、様々なアプローチを繰り返した結果、それまで表現できなかったことが自然と出始めてきたそうです。それをデザインや言語ではなく、シュールレアリスムのようなアート作品で伝える事、自然に触れた時に人が開放的になる感覚を伝える事をテーマに、現在も作品制作を続けられています。
質疑応答の時間に「デザイン思考から脱することは大変か?」と問われると、最初は苦しかったと話す上松さん。「デザインは全て外から情報を集めるけれど、アートは自分の中から生み出さなければいけない。様々な経験を経て”〜すべき”という、自分の中のタグ付けを取り払ったら自然と表現が出てきた」そうです。手法の異なるデザインとアードですが、上松さんの身体や感覚を媒体にし、根底に流れるとても力強いものを感じました。上松さんのアート作品はこちらに公開されているので、皆さんぜひご覧ください!https://ello.co/tomokiu
最後の登壇者は、今年7月入会のChemical-G合同会社代表、タバレス・グレッゴリ・アランさんです。私たちはグレッグさんと呼ばせてもらっていますが、グレッグさんはプログラマーで、ゲーム制作・Web制作・プログラミングなどのお仕事をされています。
アメリカ出身のグレッグさん。アメリカでゲーム制作のお仕事をスタートさせ、83年に制作したヘリコプターのシューティングゲームが初作品とのこと。それからも数々のゲーム制作に携わり、友人との会社設立なども経て来日。大手ゲーム会社で日本でのお仕事をスタートされました。これまで作られたゲームやwebのお仕事をご紹介いただくと、世界規模の会社のお仕事もあり会場を釘付けにしました。
そんなグレッグさんが「自信作」と紹介してくださったのが「Happy Fun Times」というゲーム。スマートフォンをある特別なwi-fiに接続すると、ゲームに参加できる仕組みで、実際に体験させていただきました。
wi-fiに接続したスマートフォンの数が増えるにつれて、スクリーンにカラフルな鳥のキャラクターが増えてきました。実は、スマートフォンと鳥のキャラクターが連動しており、画面上で操作したりスマートフォンを動かすと、連動している鳥も同じ動きをするのです。隣の鳥にぶつかって緑のエリアから落ちてしまったり、コミカルな動きにみなさんも思わず夢中に。
この仕組みは展覧会や博物館でも出展されており、89人のプレーヤーが一つの画面に参加するゲームでは、自分のキャラクターを見つけるよりも前にゲームオーバーになってしまう人が続出した裏話も。会場に笑いが起きました。
グレッグさんに日本に来た理由を伺うと「当時の日本のゲームは世界一だったから!」と、笑顔で答えてくれました。その様子にグレッグさんの少年期が見えてくるようで、「楽しく仕事をしていきたい」という言葉と合わせて非常に印象に残りました。柔軟な発想とテクノロジーを駆使し、単なるゲームを超えたコミュニケーションツールを生み出すグレッグさん。今後は、ゲームに限らずパートナーを見つけて商品やサービスを提供したいということで、新しい展開にも乞うご期待です。
プレゼンテーションの後は交流タイム。今回は、今年の7月に惜しまれながら閉店した同ビル2Fの元Bird Daikanyamaスタッフチホさんが作る、マルキッチンさんのケータリングです。
co-lab代官山プレゼン会史上、最多の品数とボリューム!皆さんお腹いっぱいになるまで美味しくいただきました。
最近は海外メンバーも増えているco-lab代官山。様々なバックボーンを持った方との交流ができるのも魅力の一つです。楽しい時間は夜遅くまで続きました。
今回のプレゼン会を通し、仕事とプライベートを二分しない働き方の魅力を改めて感じました。そういった働き方との相性の良さは、コワーキングスペースの大きな魅力の一つ。私たち運営スタッフも、みなさんにとってより働きやすい環境作りを目指し邁進していきます。
次回は今年最後のプレゼン会兼忘年会。みなさん、楽しみにしていてください!
(オフィス・マネージャー:栗原)