REPORT
VR勉強会|動画配信の次は誰もが空間を配信するようになる。
2018/5/25(金)、co-lab渋谷キャスト1Fラウンジにて、co-factoryを運営する株式会社SpiralMindによる勉強会が開催されました。
今回は、SpiralMindパートナー 渡邊 信彦氏をお招きし、「動画配信の次は空間配信だ! 誰もが空間を作り配信できるVR空間作成ツールSTYLYを使ってみよう」というテーマでご講演いただきました。
渡邊氏は、株式会社電通国際情報サービス執行役員を経て、現在は、株式会社Psychic VR Lab のCOOで、バーチャルリアリティーを一般化していくための、プラットフォームを作る会社に所属しています。また、SpiralMindのオープンイノベーションラボのパートナーとして参画いただいています。
VRとMRが普及した少し先の未来。人々は自分の空間を身にまといながらそれぞれの日常を過ごしているだろう。
渡邉氏いわく「スマートフォンの到来の次は、バーチャルリアリティーと言われています。ここで、VRとはVirtual Realityの略称で、ヘッドマウントディスプレイをかぶって仮想世界に没入した世界で新たなことをすること。MRはMixed Realityの略称で、現実の世界の中に仮想のものを出し、それらが互いに干渉しあう世界のこと。例えば、道を走る自転車にCG上の物体がぶつかって飛んだり、仮想空間上での出来事に連動して、現実の世界に照明が変化するなど。つまりリアルの空間とヴァーチャルの空間を行ったり来たりしながらミックスして使うような事をMRと呼んでいます。」なるほど、一時ブームとなったAR(現実の映像とCG映像が重なって見える技術)と違い、「互いに干渉しあう」ことができるMR技術は、とてもすごい技術なんですね。
Psychic VR Labの目指す世界
渡邉氏が所属するPsychic VR Labでは、視界をコントロールすることで、出来なかったことを出来るようにしようという「魔法の使える世界を作る」ことを目指し、アートや音楽をVRで掛け合わせた新しいライフスタイルを創造する試みを行っているとのこと。夢があってワクワクします!VRは浸透するのでしょうか?
渡邉氏は、スマートフォン市場で起こった進化が、VR/MR市場でも同様に進んでいくと考え、ヘッドマウントディスプレイを使う人が増えてくると、毎朝眼鏡をかけるようにディスプレイをかける人が出てくるようになると説明。
HMDが常識になる未来=空間を着るということ
また、ヘッドホンをつけて音楽を聴くように、空間をまとって世の中に出たり、TPOに合わせて、身にまとう空間を自由に変えることができるようになり、リアルの空間が見える状態で、世の中に出ることができるように開発が進められ、軽量化されていくことが予想さる。つまり、バーチャルとリアルの世界がピッタリ合ってシームレスに行ったり来たりできるようになるという。これは、ビジネスや趣味等の様々な環境を、その時の目的に応じて使える、新しいライフスタイルといえる。またAIが目的に応じて環境を選択するようなものが融合したインターフェイスに進化すると予想される。そして、15年後、人々は現実とVR・MR空間の多層空間の生活に変化していくと語ります。
STYLYは、空間の拡張により、視覚や音声を体感して、精神も拡張していくと考え、微妙なセンスを感じ取れるファッションを軸に展開しているそうで、
例えば、VRの宇宙空間内のファッションディスプレイを見せることにより、リアルの商品購買意欲を促進したり、MR空間で洋服のホログラムをクリックして、購入まで完結できるような仕組みが出来ているとのことです。ブラウザでいうとWordPressのような手軽さで、MR空間を自由に作れ、アーティストが提供したい音楽や映像を取り入れた空間を、簡単に配信できるようにしているそうです。
STYLY SuiteがVRにもたらすイノベーション
- 3か月以上要していたVR配信がわずか3分で出来る
- 高精細でかつネットワーク配信が可能なファイルサイズに
- ダウンロードからストリーミングにVR体験が変わる
渡邊氏からは、STYLY公式サイトにアクセスし、クリエーター事例を交えながら、実際に制作から配信までの流れについて解説いただきました。ブラウザを使い、自分で3Dモデルをつくるのが苦手でも誰かが制作したモデルを空間に配置するだけで、オリジナルのVR空間があっという間に配信できてしまうのは驚きです!これなら、普段あまりパソコンを使わないアーティストさんもチャレンジできそうですよね。
なお、現在、ULTRA EXPERIENCE(超体験)のデザインというテーマで、下記のイベントを開催しているそうです。
「ファッション/カルチャー/アート分野のVRコンテンツアワード
NEWVIEW AWARDS 2018(2018/6/1~2018/7/31)開催
https://newview.design/awards/2018/jp
誰もが簡単にVRコンテンツをクリエイト&発信できるプラットフォーム「STYLY」でぜひ挑戦してみてくださいとのことでした。
最後に、「世界中で10億人が”現実と仮想現実が重なり合う世界を生きる時代”がやってきます。ぜひ、今から、創ることを楽しむ事をしていってほしい」という熱いメッセージが、渡邉氏から送られて講演は終了となりました。
今回の勉強会をとおして筆者は、VR/MRの進化とともに、バーチャルとリアルをシームレスに行き来する文化へ、映像も音楽も環境丸ごと表現が可能で、無限大のアートの可能性、そして、それを実現させるための情熱を強く感じました。
イノベーションを起こすためには、やはりそこに本気で自分をかける情熱がなければならないのだとを改めて認識することができました。
さて、次回の勉強会は、
「ここでしか聞けない?古くて新しい”カイゼン”ビジネス最前線~もう始まっているSociety 5.0~」
https://june-event-spiralmind.peatix.com/
です。今回の講師も、SpiralMindのイノベーションラボの研究員である大岡氏にご講演いただきますが、いつも広島弁バリバリで楽しい方です。ぜひお楽しみに!
[株式会社SpiralMind:山田里奈]